消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

消化器内科医のメモ用ブログ 自分用のまとめなので記事が重複している場合があります。なにかご指摘や追加の情報あればご連絡ください。

消化器内科

免疫チェックポイント阻害薬関連消化管病変の診断と治療

免疫関連大腸炎(IMC):immune-mediated colitis irAE腸炎 概要 ICI投与から発症までの期間は、抗CTLA-4抗体では1ヶ月、抗PD-1抗体では2~4ヶ月。 下痢や大腸炎のirAEはICI投与から5~10週後に起こりやすいとの報告もある。 抗PD-1抗体+抗CTLA-4抗体の併用でI…

吻合部ポリープ状肥厚性胃炎について

術後胃 吻合部ポリープ状肥厚性胃炎:stomal polypoid hypertrophic gastritis;SPHG 概念 特異な慢性炎症性胃粘膜病変で胆汁などの逆流により生じる組織学的変化と考えられている。 胃腸吻合部の胃側に発生する無茎性ポリープ状の粘膜隆起性の反応性病変。 …

膵・胆管合流異常症の病態と診断

病態 膵・胆管合流異常は解剖学的に膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天性の形成異常。 共通管が長く、十二指腸乳頭部括約筋(Oddi括約筋)作用が膵胆管合流部に及ばないため、膵液と胆汁が相互に逆流することにより、胆道ないし膵にさまざまな病態を引き…

消化器内科のおすすめの教科書

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脂肪肝について

病態 定義「何らかの代謝異常のため、肝小葉の1/3以上の領域で、肝細胞に著明な脂肪滴の蓄積を認め、それ以外の形態学的異常を認めないもの」

膵腫瘤の鑑別と診断

充実性腫瘍 最も頻度の高い充実性腫瘍は膵癌。大半は乏血性。 慢性膵炎や自己免疫性膵炎も限局性の乏血性腫瘤を形成し、膵癌との鑑別が問題となりうる。

慢性特発性偽性腸閉塞の診断と治療

慢性特発性偽性腸閉塞:CIIP;chronic idiopathic intestinal pseudoobstruction 病態 腸管に物理的閉塞がなく、消化管運動機能障害のために腸閉塞様症状を来す慢性偽性腸閉塞症(CIPO)のうち、原因不明のもの。 消化管病変によるものは原発性(Primary)、全身…

感染性肝嚢胞の診断と治療

病態 肝嚢胞自体は経過観察とされる事が多いが、感染や出血を合併すると治療適応となる。 感染経路は、胆道系・門脈系・血行性・近隣の感染巣からの直接波及・外傷性が知られる。総胆管結石による逆行性胆管炎により感染性肝嚢胞を引き起こした報告例もある。…

食道粘膜下腫瘍の診断と鑑別

平滑筋腫(Leiomyoma) 粘膜下腫瘍の中で最も頻度が高く、食道良性粘膜下腫瘍の約80%を占める。 食道壁の粘膜筋板、あるいは固有筋層(内輪筋・外縦筋)より発生し境界明瞭。内輪筋由来74%、粘膜筋板由来18%、外縦筋由来8%とされている。

食道の腫瘍・非腫瘍の内視鏡的鑑別

通常観察、ヨード染色、NBI、拡大観察を併用する。 glycogenic acanthosis(GA) 細胞質内にグリコーゲン顆粒を有する有棘細胞の肥厚。扁平上皮層の肥厚。 高齢の男性の食道でよく観察される。

消化器内科でclinical picturre形式の論文投稿先

clinical picture形式の投稿先についていくつか調べました。消化器内科で想定しています。 IFは参考程度です。 ・雑誌:LANCET セクション名:Clinical picturer 字数:300words以内

若年性ポリープの病態と診断

若年性ポリープ(juvenile polyp) 病態 非腫瘍性(過誤腫性)のポリープ。 幼少期や学童期に多く見られるが、成人にも少なからず認められる。

食道乳頭腫の病態と診断

病態 重曹扁平上皮が外方性もしくは内方性に乳頭状増殖を示す腫瘍類似病変であり、反応性の病変。 胸部中部~下部食道に好発する。 基本的には良性の腫瘍様病変。乳頭腫内の一部に上皮内癌やdysplasiaを伴っていた報告もあり、定期的な経過観察は必要である。

異所性皮脂腺・食道皮脂腺の病態と診断

病態 外胚葉由来の臓器に時折みられる異所性の皮脂腺が、内胚葉由来の食道に時折みられるもの。 通常は外胚葉由来の口唇・口腔・唾液腺・包皮・陰唇などにみられる。 食道は内胚葉由来のためまれ(0.15%)。

下部内視鏡スコープの違い

PCF ・PCF-H290ZL/I 視野角:170°/85° 先端部外経:11.7mm 軟性部外経:11.8mm

上部内視鏡スコープの違い

汎用 ・GIF-H290 視野角:140° 先端部外経:8.9mm 軟性部外経:8.9mm

Clostridium difficile関連下痢症(CDAD)

CD腸炎、Clostridium difficile腸炎 概要 CDADは「下痢などの症状を呈し糞便検査でC.difficile毒素ないし、毒素産生性のC.difficileが陽性、もしくは内視鏡的に偽膜性腸炎の所見を認めるもの」と定義される。

自己免疫性胃炎の病態と診断

自己免疫性胃炎(autoimune gastritis;AIG)、A型胃炎ともいう。 病態 壁細胞に対する自己抗体(抗胃壁細胞抗体)が産生されるために壁細胞が破壊され無酸となり、negative feedback mechanismにより高ガストリン血症を呈する病態。 形態的には胃体部を中心とし…

Brunner腺過形成の病態と診断

病態 Brunner腺は十二指腸粘膜深層から粘膜下層に存在する外分泌腺。 球部でとくに発達し、肛門則にいくほど小さく減少する。

十二指腸リンパ管拡張の病態と診断

病態 リンパ流のうっ滞により腸管粘膜や腸間膜におけるリンパ管に拡張をきたした状態。 うっ滞によりリンパ液は乳び性となり、乳びの中には蛋白、脂肪、リンパ球が含まれる。

原発性硬化性胆管炎(PSC)の診断と治療

primary sclerosing cholangitis 病態 肝内外の胆管に多発性・びまん性の狭窄が生じ、胆汁うっ滞を来す慢性肝疾患。 潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患の合併率が高く、腸管局所の炎症ないし腸内細菌叢の病因への関与が推定されている。

自己免疫性膵炎の診断と治療

自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis;AIP) 病態 病因や病態は解明途中。 しばしば閉塞性黄疸で発症し、時に膵腫瘤を形成する特有の膵炎。 リンパ球と形質細胞の高度な浸潤と線維化を組織学的特徴とし、ステロイドに劇的に反応することを治療上の特徴と…

IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)の診断と治療

病態 IgG4関連疾患の胆管病変。

原発性胆汁性胆管(PBC)の診断と治療

病態 原因不明の慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患。 胆汁うっ滞と肝細胞破壊と線維化を認め、最終的には肝硬変になる。

腹部コンパートメント症候群

腹部コンパートメント症候群(abdominal compartment syndrome; ACS) 病態 腹腔内圧が上昇するような病態。 具体的には腹腔内圧が20mmHg以上であり、かつ臓器障害(汎用されている所見としては尿量低下)が生じた状態と定義される。

機能性ディスペプシアの診断と治療

機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia: FD) 定義 機能性消化管疾患診療ガイドライン2014より以下。 病状の原因となる器質性、全身性、代謝性疾患がないのにも関わらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患。

食道アカラシアの病態と治療

定義 下部食道括約部の弛緩不全と食道体部の蠕動運動の障害を認める原因不明の食道運動機能障害。

胃前庭部毛細血管拡張症

病態 胃前庭部毛細血管拡張症(gastric antral vascular ectasia ; GAVE)は胃前庭部を中心に血管拡張を認める病態。

胃異所性膵の病態と診断

迷入膵や副膵ともいわれる。 病態 本来の膵臓とは解剖学的にも血行的にも離れて異所性に膵組織が存在するもの。

十二指腸リンパ腫の診断と治療

病態 十二指腸では濾胞性リンパ腫(FL;follicular lymphoma)が最も多く過半数を占める。 以降は、DLBCL、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL;mantle cell lymphoma)の順となる。