消化器内科takoitaのメモ

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食道乳頭腫の病態と診断

  • 病態

重曹扁平上皮が外方性もしくは内方性に乳頭状増殖を示す腫瘍類似病変であり、反応性の病変。

胸部中部~下部食道に好発する。

基本的には良性の腫瘍様病変。乳頭腫内の一部に上皮内癌やdysplasiaを伴っていた報告もあり、定期的な経過観察は必要である。

 

 

①桑実状の凹凸を有する基部の狭い小さい隆起で水中観察下にてイソギンチャク様

②透明感のある白色調で丈の低い扁平隆起

③やや発赤調で分葉傾向のある隆起、として観察される。

①・②の頻度が高く、③は稀である。

②は0-Ⅱa型食道癌との鑑別が必要である。②はヨード染色にて淡染である。

・画像

 

https://gastro.igaku-shoin.co.jp/words/食道良性腫瘍

 

  • 病理

3つの亜型に分類される。

①exophytic type(外方型)

中心に繊維血管性間質を伴い、外側へ向かう乳頭状増殖。

②endophytic type(内方型)

滑らかな表面隆起を有し、内反性の乳頭状増殖。

③spiked type(スパイク型)

スパイク状の表面構造で、顆粒層を伴う顕著な角化を有する。

 

 

参考

上部消化管内視鏡診断アトラス

症例で身につける消化器内視鏡シリーズ 食道・胃腫瘍診断

胃と腸 所見用語集2017

胃と腸 55(3)2020