消化器内科takoitaのメモ

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胃前庭部毛細血管拡張症

  • 病態

胃前庭部毛細血管拡張症(gastric antral vascular ectasia ; GAVE)は胃前庭部を中心に血管拡張を認める病態。

 

DAVEとwatermelon stomachに分類される。watermelon stomachは狭義のGAVEとされ、DAVEと併せてGAVEと総称する事が多い。

消化管出血の原因の一つとなる。

慢性肝疾患、慢性腎不全、心不全などの合併が多く、貧血を主訴に発見される事も多い。

 

・DAVE

びまん性に前庭部で毛細血管が拡張する病態をびまん性胃前庭部毛細血管拡張症(diffuse gastric antral vascular ectasia ; DAVE)という。

GAVEとDAVEは内視鏡所見は異なるが組織学的には同様の所見を呈し、同じ疾患の範疇と考えられている。

背景に肝硬変をもつ患者に多い。

 

・watermelon stomach

最初に報告されたGAVEがこれにあたる。

狭義のGAVE。

前庭部にスイカの皮の縞模様に似た発赤を認める。

非肝硬変患者に多い。

 

  • 診断

診断には近接観察が重要。

GAVEでは放射状に(いわゆるwatermelon stomach)、DAVEではびまん性に毛細血管拡張がみられる。

 

  • 治療

内視鏡治療が有用であり、安全性・有効性の点からAPC(argon plasma coagulation)による焼灼治療が推奨される。

一度行っても更に追加でAPCが必要となる事も多い。

APCは貧血の改善効果は期待されるが予後の改善については明らかではない。

 

 

参考

https://gastro.igaku-shoin.co.jp/words/GAVE_DAVE

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsph1999/14/2/14_152/_pdf/-char/ja