消化器内科takoitaのメモ

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原発性胆汁性胆管(PBC)の診断と治療

  • 病態

原因不明の慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患。

胆汁うっ滞と肝細胞破壊と線維化を認め、最終的には肝硬変になる。

 

臨床的には胆汁うっ滞に伴う皮膚掻痒感、抗ミトコンドリア抗体(Anti-mitochondrial antibodies:AMA)陽性、中年以後の女性に多いのが特徴。

無症候性PBCの多くは無症状でそのまま経過し長期予後もよい。

 

  • 診断

診断基準に従う

 

  • 治療

有効な治療法は確立されていないが、ウルソデオキシコール酸やベザフィブラートなどが使用される。

肝不全兆候のある症例では肝移植の適応となるが、移植後の再発が問題となる。

 

  • 予後

症候性PBCはおおむね予後良好であるが、約10~40%(5年間で約25%)が黄疸や皮膚掻痒などを伴う症候性 PBC へ移行する。

5 年生存率は、血清T.Bil値が2.0mg/dLでは60%、5.0mg/dLでは55%、8.0mg/d~では35%となり、黄疸を伴った進行例では予後不調である。

死因は、症候性PBCでは肝不全と食道静脈瘤の破裂による消化管出血が大半を占めるが、無症候性PBCでは肝疾患以外の原因で死亡することが多い。

 

 

参考

https://www.jsge2020.org/post/data/106pgc_test.pdf