消化器内科takoitaのメモ

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若年性ポリープの病態と診断

若年性ポリープ(juvenile polyp)

  • 病態

非腫瘍性(過誤腫性)のポリープ。

幼少期や学童期に多く見られるが、成人にも少なからず認められる。

 

通常は単発だが、時に数個や、まれに遺伝性の若年性ポリポーシスが認められる。

直腸とS状結腸に好発し、大きさは5mm~2cm程度が多い。小さなものは無茎性、大きくなると亜有茎~有茎性になってくる。

ポリペクトミー可能な良性病変がほとんどで、遺伝性若年性ポリーポーシスを除けば悪性化もきわめてまれである。

 

通常内視鏡では、発赤の強い表面平滑な球状のポリープとして観察される。

表面は浅いびらんや薄い白苔を伴っているものが多く、まれに表面が凹凸不整なものや陥凹している病変もある。

白苔のない病変は野イチゴ様、不整で白苔の多いものが腐れイチゴ様、とも表現される。

また、周囲粘膜に白斑を伴うこともある。

拡大観察では、腺腫に特徴的なⅢL型やⅣ型pitは認められず、Ⅰ型pitに類似した大小不同の類円形から歪んだ形のpitが疎に観察されることが多い。

 

  • 病理

病理学的に過誤腫に分類される。

異型の乏しい腺管の嚢胞状拡張と粘膜筋板の欠如が特徴的。

間質の浮腫・炎症細胞浸潤と毛細血管の増生拡張なども伴っている。

 

 

参考

下部消化管内視鏡診断アトラス