消化器内科takoitaのメモ

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十二指腸リンパ管拡張の病態と診断

  • 病態

リンパ流のうっ滞により腸管粘膜や腸間膜におけるリンパ管に拡張をきたした状態。

うっ滞によりリンパ液は乳び性となり、乳びの中には蛋白、脂肪、リンパ球が含まれる。

 

健常人でも脂肪摂取後にみられる事もあり、病的意義をもたない場合も多い。

一方、リンパ管内圧の上昇により、リンパ管壁が破綻し、蛋白を含むリンパ液が腸管内へ漏出すると、吸収不全や低蛋白血症を起こす。

 

うっ滞したリンパ液を反映し、散布性白点や白色絨毛、白色小石状所見を呈する。

粘膜上皮に異常がないため、拡大観察では均一な絨毛辺縁上皮に囲まれた乳び性のリンパ液が確認される。

また、粘膜層表層のループ状に蛇行した血管が乳びの白色とコントラストをもって観察される。

 

 

参考

十二指腸内視鏡ATLAS