消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

消化器内科医のメモ用ブログ 自分用のまとめなので記事が重複している場合があります。なにかご指摘や追加の情報あればご連絡ください。

内視鏡処置具・デバイスの違い

 

  • 生検鉗子

     

・標準鉗子
切れが良い。
カップに側孔のあるものが多い。側孔により多くの組織を回収できる。
 
・鰐口鉗子
硬い組織に対しても強い把持力がある。
 
 
・針付き鉗子
カップの中央に針があり、粘膜の滑りを防止する。
 
 
  • 先端フード
色々ある。
・一般的なフード
拡大内視鏡時、大腸内視鏡検査時、ESD時
 
・EAM(内視鏡的吸引粘膜切除術)時
スネアガイド付きチューブが多い
 
・EMRC(内視鏡的粘膜切除術)時
内側にスネアが引っかかるように爪がついている
 
 
  • 回転クリップ
・ツメの角度
90度と135度がある。
90度では閉じたときの隙間は広いが把持力は強い。
135度は把持力が劣るが狭い空間で縫縮できる。
一般的に135度は血管を閉じる止血目的。90度はマーキングやトラクションデバイスとして用いる。
 
・長さ
スーパーショート、ショート、スタンダード、ロングなど。
潰瘍底の大きさに合わせて選択する。
ロングクリップは把持力が落ちる。
 開き幅
スーパーショート135度 6mm
ショート135度 8mm
スタンダード135度 10mm
ロング135度 12mm
 
・その他
カラーショートクリップ(オリンパス)はフッ素コーティングが絶縁皮膜となり、高周波装置を用いる場合も安全に使用できる。
 
MRI対応クリップやディスポーザブルクリップもある。
 
 
  • 高周波止血装置
・止血鉗子
カップが浅く小型なのでピンポイントで把持して止血できる。
回転機能も持つため狙撃性能も高い。
 
 コアグラスパー(オリンパス)
モノポーラー。代表的な止血鉗子。
 開き幅
下部用 4.0mm
上部用 5.0mm
コアグラスパーG 6.5mm
 
 バイポーラー止血鉗子
把持部のみの通電となるので、低出力で止血可能。
長時間の通電でも深部まで熱が伝わらないため安全。食道や大腸の様な粘膜の薄い組織で使いやすい。
把持する時に強く握りすぎると金属の接触でショートしてしまう事があるため注意。
 開き幅
ヘモスタットY(ペンタックス) 4mm
ヘモスタットワイドカップ(ペンタックス) 5.8mm
 
・ホットバイオプシー鉗子
止血鉗子よりカップサイズが大きく、把持能力の向上と広範囲の熱凝固ができる。
カップを閉じた状態で通電する事で粘膜表面を焼却できる。
粘膜深部への過通電リスクは高くなる。
 
エンドジョーホット(オリンパス)
ラディアルジョー4ホットバイオプシー(ボストン)
 
 
参考
消化器内視鏡の機器・器具・デバイスはこう使え