激しい胸痛の鑑別
年齢や発症状況で鑑別の上位は変わる
スクリーニングとして行うべき検査は
12誘導心電図
胸部Xp(皮下気腫、骨折、気胸、フリーエアー、大動脈陰影の拡大・石灰偏移、心拡大、浸潤影、うっ血)
動脈血ガス(低酸素血症の有無)
血算・生化学・CRP
行うべき検査は
- 若年男性の場合
発熱がなければ自然気胸、自然縦隔気腫
発熱があれば肋膜炎、心外膜炎
を鑑別の上位に挙げて考える
①自然気胸
聴診の左右差、打診、胸部Xpが基本
②自然縦隔気腫
皮下気腫の触診、Hamman’s crunch
③肋膜炎
④心外膜炎
- 40歳以上の場合
急性心筋梗塞➡︎大動脈解離➡︎肺塞栓➡︎食道破裂
①急性心筋梗塞
心電図(npでも強く疑うなら経時的に)、ラピトロ(陰性でも強く疑うなら経時的に)、心筋逸脱酵素、心エコー
②大動脈解離
血圧左右差(20mmHg以上)、ARないか聴診・心エコー、d-dimer上昇
胸部単Xpで石灰化の移動(calcium sign)・縦隔陰影の拡大(縦隔拡大>8cm)(臥位では上縦隔は生理的に増大するので注意)
造影CT
③肺塞栓
④食道破裂
特にアルコール歴のある初老の男性が飲酒・嘔吐中に突然の胸痛などの現病歴があれば鑑別の上位にあげ緊急で検索対応しなければならない
参考
研修医当直御法度百例帖第二版
大動脈解離の簡易スクリーニング - つねぴーblog@内科専門医
大動脈解離のカルシウムサインとは(画像) - つねぴーblog@内科専門医