消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

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アナフィラキシーショックへの対応

アレルゲンの侵入で全身性にアレルギー症状・生命に危機のある反応

 

 
アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合
 
正確なものはガイドラインを参照
皮膚・粘膜症状、呼吸器症状、循環器症状が大事

ガイドラインより引用
 
 
皮膚症状
90%
蕁麻疹、血管運動性浮腫
85-90%
顔面紅潮
45-55%
発疹のない痒み
2-5%
・呼吸器症状
40-60%
呼吸困難、喘鳴
45-50%
喉頭浮腫
50-60%
鼻炎
12-20%
めまい・失神・血圧低下
30-50%
腹部症状(嘔気・下痢・腹痛)
25-30%
その他
 
頭痛
5-8%
胸痛
4-6%
1-2%
皮膚症状は10%で認めないことに注意する。
 
  • 初期対応
バイタル
仰臥位フットアップ
酸素投与
末梢ルート確保
重症度評価
すぐに必要性を判断し、ボスミン®︎(アドレナリン)を0.3mg筋中
 
  • アドレナリンの適応
重症度評価でグレード3の場合と言われる
循環器症状:血圧の低下(90以下)、不整脈、心停止
呼吸器症状:strider、嗄声、犬吠様咳嗽、呼吸困難、チアノーゼ
神経症状:意識消失
 
気管支拡張薬吸入で改善しない呼吸器症状も適応
 
心静止でもないのにivしない事 imである
 
  • 気道確保
アドレナリン投与でも気道狭窄改善しなければ挿管考慮
挿管が必要な場合は粘膜腫脹や多量粘液などの挿管困難が予想される事に注意
あらかじめ3〜4分の十分な酸素化行ってから挿管
気管切開や穿刺が必要ならば躊躇わない
 
  • ボスミン投与後
ボスミンの効果がなければ10分後もう一度投与する。
ルートより
ポララミン®︎5mg投与又はクロールトリメトロン®10mg投与 (ヒスタミンH1受容体遮断)
ザンタック®︎50mg投与又はガスター®︎20mg投与 (ヒスタミンH2受容体遮断)
ソルメドロール®︎40mg投与又はハイドロコートン®200-500mg (ステロイド)
 
気管支喘息の10%はアスピリン喘息といわれる。喘息患者にはリン酸エステル型を使うのが無難。
 
リン酸エステル型
ヒドロコルチゾン
ソル・コーテフ®
水溶性ハイドロコートン®
水溶性プレドニン®
コーデルゾール®
ソル・メドロール
メドロール®
 
 
デカドロン®
オルガドロン®
ベタメタゾン
 
リンデロン®
 
 
βブロッカー内服中の患者には効果が悪い
その場合、グルカゴン1mgを静注
必ずアドレナリン投与後に投与すること。(2回ほど、アドレナリン・アドレナリン・それでもだめならグルカゴン)
グルカゴンは末梢血管を開く作用があり、アドレナリンの前投与がないと血圧が更に低下しうるので注意。
 
  • 低血圧が持続する場合
初期輸液は生食を5〜10ml/kgを5–10分で開始
血圧、心拍数、尿量、心機能、IVCみて適宜調節
初期対応にても重度の低血圧・ショック遷延するならアドレナリンの静脈投与行う
カテコラミンへの反応が非常に悪い場合副腎不全になっている可能性を考える。その場合ステロイド投与で反応は改善する。
 
  • 原因
食物・薬物・中毒・ワクチン・運動誘発性・特発性
ヒスタミン中毒という可能性もある。
 
  • 二峰性反応
約20%、発症までは1-8時間と言われる。
適切な経過観察時間は6-8時間。重症例では24時間。
 
 
 
参考
救急外来ただいま診療中
研修医当直御法度百例帖第二版
デキレジ STEP1