胸痛の緊急疾患に対する問診と身体所見
今回は急性心筋梗塞(AMI)、急性大動脈解離(AD)、肺血栓塞栓症(PE)、緊張性気胸(TP)、食道破裂について典型的な問診所見と身体所見を考える
- 問診
痛みに対してはOPQRST-A
・Onset(発症様式)
①急性(数十分〜数時間前)
②亜急性・持続性(数時間〜数日前から)
③反復性・慢性(急に強くなったなら①)
上記5大疾患は全て急性発症
食道破裂は嘔吐に引き続いて突然の激痛
・Provocation and Palliation factor(増悪寛解因子)
AMI:運動で増悪
PE:深呼吸で増悪、浅呼吸で軽快
TP:深呼吸で増悪、浅呼吸で軽快
・Quality(性状)
AMI:締め付ける様な、圧迫感
AD:切り裂かれる様な、鋭く刺す様な
TP:鋭い痛み
・Region and Radiatin(部位と放散)
AMI:前胸部、左肩、左上肢、歯、下顎
AD:背部、前胸部、(上腕への放散は稀)
TP:片側
食道破裂:胸骨裏、背部
・Severity and Scale(重症度)
・Time course(時間経過)
AMI:20分以上持続
・Association factor(随伴症状)
AMI:呼吸苦、嘔気、冷汗
PE:呼吸苦
TP:呼吸苦
- 身体所見
AMI:心雑音、心不全による頸静脈怒張、ポンプ失調によるcrackles聴取
PE:頻呼吸、Ⅱpの亢進、DVTの有無
AD:血圧左右差、AR
TP:呼吸音の左右差・減弱、打診での鼓音
食道破裂:頸部・上胸部の皮下気腫、、胸水、上腹部の筋性防御
参考
デキレジ STEP1
内科診断学第3版