消化器内科takoitaのメモ

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食道粘膜剥離症の病態

exfoliation of esophageal mucosa

 

 
表層上皮が剥離する表層性食道粘膜剥離症と、粘膜下層より表層が剥離する食道粘膜剥離症に大別される。
 
外因性と内因性に分けられる。
 
外因性
多量の飲酒、熱いものの嚥下、硬くて塊状の食物嚥下、薬剤性、放射線治療内視鏡の挿入刺激。
薬剤性の代表的なものは、ダビガトラン起因性が多く報告され、白色の膜様物の付着を認める。
 
内因性
表層性食道粘膜剥離症では天疱瘡や類天疱瘡などが代表的。
食道の表皮細胞膜に対する自己抗体や基底膜抗原に対する自己抗体に起因し、表層上皮が剥離する。
天疱瘡にみられる特徴的な表層上皮の剥離はNikolsky現象と称される。
しばしば血腫を合併し、白色紐状の剥離上皮を嘔吐することもある。
 
 
参考
胃と腸 所見用語集2017