消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

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高マグネシウム血症の初期対応

血中Mg2.6mg/dl以上を高Mg血症という。

 

 
  • 症状
早期には筋力低下、深部腱反射の低下・消失、悪心・嘔吐などの消化器症状。
高度(Mg>7-10mg/dl)では失調・傾眠などの精神神経症状、四肢・呼吸筋の麻痺、麻痺性イレウス、難治性低血圧、房室ブロック、QT延長、心停止など。
 
臨床的には高Mg血症の程度の指標としてい優れているのは深部腱反射であり、Mgが5g/dlを越えると低下し、Mgが8-10mg/dlを越えると殆ど消失する。
 
  • 診断
ホルモンによる調節はなく、腎からの排泄のみで調節される。
そのため、腎機能低下が殆ど。まれに大量Mg投与時(静脈投与、下剤)によるものがある。
腎機能低下時には通常量の制酸剤や下剤の投与で重度の高Mg血症を生じることがある。
 
その他、糖尿病性ケトアシドーシス、腫瘍崩壊症候群、副腎不全、家族性低Ca尿性高Ca血症など。
 
  • 治療
心伝導系へ影響がある場合は、8.5%グルコン酸カルシウム10-20mlを5-10分かけて静注する。
腎機能低下例で症候性のものは血液透析を考慮する。
腎機能正常例では原因を中止すれば自然軽快するものが殆ど。
 
 
参考
電解質輸液塾