消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

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糖尿病を最初に見たとき

 
  • 成因による分類を行う
・1型
急性、緩徐進行、劇症
・2型
・その他疾患

 

癌:膵癌、下垂体癌、ターミナルの癌、褐色細胞腫
内分泌疾患:Basedow病、
薬剤性:ステロイド、クエチアピン、PDL-1抗体阻害剤(劇症1型起こしうる)
・妊娠糖尿病
 
インスリン依存状態
インスリンが絶対的に欠乏した状態。血糖は高く不安定。ケトン体は著増。
空腹時血中Cペプチド0.6ng/ml未満が目安。
インスリン非依存状態
インスリンの相対的欠乏。血糖値は様々だが比較的安定。ケトン体はわずかの増加。
空腹時血中Cペプチド1.0ng/ml以上
 
  • 急激な血糖補正が必要な状態
高血糖クライシス(糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧性高血糖症候群)
感染症を併発している場合
緊急手術が必要な場合
 
  • 治療方針の決定
①血糖値(高血糖の程度及び期間)
②体重とその推移(急激な体重減少の有無)
③尿ケトン体の有無(高血糖+ケトン体なら早急なインスリン治療必要)
④Ⅰ型糖尿病除外のために抗GAD抗体・血中CPR(Cペプチド)測定
インスリンの適応を判断する
インスリン絶対適応:Ⅰ型、高血糖昏睡、重度の肝障害・腎障害、中心静脈栄養中、糖尿病合併妊娠
インスリン相対適応:空腹時血糖250mg/dl以上、随時血糖350mg/dl以上、尿ケトン+、ステロイド使用中
インスリン又は内服の開始
合併症のチェック
①眼科にて網膜症の確認
②腎症の確認
③神経障害の確認(アキレス腱反射・振動覚検査・温冷感etc)
 
  • 血圧・脂質・体重管理・禁煙
血糖コントロールだけでなく上記の指導も重要。
 
  • 急激な増悪
急に増悪した患者では必ず膵癌の併発を疑う。必ず早期に腹部エコーを行う。
 
 
参考
糖尿病代謝内分泌内科ポケットブック第2版
糖尿病診療ハンドブックver4