消化器内科takoitaのメモ

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マラスムスとクワシオルコル

低栄養の状態には2つある。
マラスムスとクワシオルコル。

 

 
  • マラスムス
PEM(protein energy malnutritation)のこと。
全般的な栄養不良に陥り、糖質・タンパク質・脂質の全てが不足している低栄養状態。
飢餓や長期に渡る栄養不摂取、神経性食思不振症などでみられる。
 
目立つ特徴は体重の減少
血清Albは基準値を保ち、一般に浮腫はあまりみられない。
血清Albだけで栄養状態が判断できないのは、このマラスムスを見逃すことがあるためである。
 
 
  • クワシオルコル
エネルギーが相対的に保たれているが、タンパク質の摂取量が十分でないために起こる低栄養状態である。
タンパク質が足りていない状態。つまり糖質だけではマラスムスは防げてもクワシオルコルは防げない。
 
大きく膨れた腹部が特徴。
他には顔・腕・手足の浮腫、筋力低下、皮膚炎、毛髪の異常、無気力、低身長などが見られる。
体重の減少はマラスムス程はみられない。
 
腹部が膨れるのは、腹水の貯留と脂肪肝により肝臓が肥大するためといわれている。
 
 
参考
はじめての栄養療法