消化器内科takoitaのメモ

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尿路感染の3大原因PEK

PEKは腸内細菌の代表で尿路感染の3大起因

・Proteus mirabilis

・Escherichia coli

・Klebsiella pneumoniae

 

 

  • Proteus mirabilis

市中尿路感染症の原因となるのは1−2%

院内尿道カテーテル関連感染症では10−15%まで上昇する(90%がProteus mirabilis)

尿カテ内の結石とバイオフィルム形成を助長する。結石やバイオフィルムに隠れて持続的に感染を起こす。

P.mimrabilisはABPC又はCEZ(第1世代セフェム系)で治療可能。ただし、ESBL産生菌に注意。

P.vulgarisは仲間。セファロスポリナーゼ(βラクタマーゼの一種)を産生することもある。3世代セフェムで治療。SBT/ABPCは効果あり。

 

  • Escherichia coli

腸内細菌叢の通性嫌気性菌の大部分を占める。(腸内細菌叢の99%は偏性嫌気性菌)

膀胱炎の90%、急性腎盂腎炎の90%、慢性前立腺炎の80%の起因菌。E.coliの感染症で最も多いものが尿路感染症。(新生児髄膜炎の2大起因菌の1つでもある)

大体のものに感受性を示す事も多いが、キノロン耐性株も出現し始めている。

ESBL産生することもあり、注意が必要。

 

  • Klebsiella pneumoniae

尿路感染の起因菌の1−2%。口腔咽頭に常在している事がある。

アルコール依存症、糖尿病など患者で重症市中肺炎を起こすことがある。

市中で肝胆道系疾患のない患者に肝膿瘍を起こすことがある。

K.pneumoniaeとK.oxytoca(新生児菌血症の起因菌として重要)ともにペニシリナーゼを産生する。

ESBLを産生する事もあり、注意が必要。

また、カルバペネマーゼを産生する事もあるらしい。

 

 

参考

レクチャー