消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

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患者の栄養状態の評価

いくつかの評価方法を以下に示す。

 

 

体がどれくらいのタンパクを作っているかの指標になる。

基本的にはAlb<3.5g/dlで低栄養を考え出す。

しかし、Alb低下の原因は低栄養だけではなく、必ずしも低栄養という訳ではない事に注意しなければいけない。

 

①合成の低下

肝硬変、炎症性疾患

②尿・便・分泌液への喪失

ネフローゼ症候群、吸収不良症候群、火傷

代謝の亢進

甲状腺機能亢進症

④低栄養

 

他にもうっ血により希釈されれば低値に、脱水では高値になりうる。

また、炎症性疾患(CRP上昇する疾患全て)では肝臓でアルブミンの代わりにCRPが作られやすい状況である。そのため炎症があるとAlb低下を認めることがある。

 

半減期の短いタンパク質の事。

Albの半減期は約21日。

一方で、トランスサイレチン(プレアルブミン)は約3日、トランスフェリンは約7日、レチノール結合タンパクは約12-16時間である。

半減期が短いためより詳細に経時的に栄養状態の変化を診ることができる。細かく栄養状態を知りたい患者の測定に追加したい。

 

  • SGA(主観的包括的評価,subjective global assessment)

①体重の変化

普段の体重と現在の体重、どれぐらいの期間で減ってきたのか、を問診

②食物摂取量の変化

いつから、どれぐらいか、を問診

③消化器症状

嘔気・嘔吐・下痢の問診

④機能状態(活動性)・機能障害

ADLの問診

⑤疾患及び身体状況

基礎疾患・内服薬・バイタル・ストレスの問診

 

SGAは初めて診る患者の栄養状態を把握するのにはむいているが、入院患者の栄養状態を経時的に評価するのには不向き

 

  • 皮下脂肪・BMI

BMIはさることながら皮下脂肪の概念は知っていると栄養評価の一助になる。

上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)

上腕周囲長(AC)

利き腕ではない方の腕の上腕骨中点にて測定する。

上記から上腕筋周囲、上腕筋面積を算出できる。(筋肉量の指標となる)

算出方法や基準値は省略。

 

 

参考

栄養療法はじめの一歩