消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

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好酸球性胃腸炎の診断と治療

 
  • 症状
全消化管に炎症が及ぶ可能性があるが、食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢、血便、体重減少、腹水などが見られる。
重症者では、消化管閉塞、腸破裂、腹膜炎を起こすことがある。

 

 
  • 診断
①症状(腹痛、下痢、嘔吐等)を有する。
②胃、小腸、大腸の生検で粘膜内に好酸球主体の炎症細胞浸潤が存在している。(20/HPF以上の好酸球浸潤、生検は数か所以上で行い、また他の炎症性腸疾患を除外することを要する)
③腹水が存在し腹水中に多数の好酸球が存在している。
④喘息などのアレルギー疾患の病歴を有する。
⑤末梢血中に好酸球増多を認める。
CTスキャンで胃、腸管壁の肥厚を認める。
内視鏡検査で胃、小腸、大腸に浮腫、発赤、びらんを認める。
⑧グルココルチコイドが有効である。
 
①と②又は③を満たすものを対象とする。これら以外の項目は参考とする。
 
  • 治療
エビデンスの確立した治療法はない。
経験的にステロイドが用いられる。
 
プレドニゾロン20~40mg/日で投与される事が多く、好酸球性胃腸炎患者の90%で有効とされる。
 
抗原除去食の効果について十分な評価はなされていない。
炎症の持続によって吸収不良を生じて低蛋白血症となる場合には、栄養療法を行う必要がある。
 
腸穿孔や腸閉塞などの合併症を呈する症例においては外科手術を検討する。
 
 
参考
難病情報センター(https://www.nanbyou.or.jp/entry/3935)
消化器内科グリーンノート