入院患者の輸液
まず考え方として最低限必要な維持輸液と治療に必要な補充輸液がある
維持輸液は1日で失われる水分・電解質を補う
補充輸液は不足している水分・電解質を補う
- 維持輸液
維持輸液として1日に必要な輸液は
水分 30ml/kg
Na 2mEq/kg (Nacl 1g=17mEq)
K 1mEq/kg
ブドウ糖 100g
がおおよその値
絶飲食が長期になる場合はビタミン、アミノ酸、脂質、マグネシウム、リンも検討
ストレスや侵襲のない単なる絶飲食ならソルデム3Aで基本的にはよい
入院患者は発熱・疼痛・侵襲でADH分泌が亢進し、相対的な水分過剰による低ナトリウム血症になりうる。
心不全、腎不全、肝不全では水分貯留に注意
- 脱水
Volume depletionとdehydrationを分けて考える。
前者では細胞外液が欠乏しており、血圧低下・頻脈が起きる
細胞外液(生理食塩水やソリューゲンF)を投与
後者では自由水の欠乏であり、口渇・高ナトリウム血症・高浸透圧が起きる
5%ブドウ糖液に該当するものを投与
- ショック
ショックの場合、血圧を維持するため血管内に残る細胞外液(生食やソリューゲンF)が望ましい
また、欠乏に伴いK排泄が低下している可能性があるため、Kフリーやごく少量の輸液にする
参考
内科レジデンスの鉄則第3版