消化器内科takoitaのメモ

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腸結核の診断と治療

  • 病態
結核菌の感染による腸管の炎症。
結核感染からの続発性腸結核と、肺結核を伴わない原発性腸結核に分けられる。

 

原発性腸結核の感染経路は、空気中の結核菌を嚥下することによる管腔性感染、あるいは血行性、リンパ行性、隣接臓器からの直接浸潤などが考えられる。
 
  • 症状
発熱、下痢、腹痛、血便、体重減少、全身倦怠感など様々で非特異的。
 
  • 診断
結核の既往があり、腹部症状を認める場合は念頭に置く。
全消化管に発生するが、好発部位は回腸、回盲部、右側結腸である。
 
内視鏡・透視の活動期所見
輪状・帯状の潰瘍が特徴的。
円形や不整形潰瘍でも輪状傾向を示す事が多い。
潰瘍辺縁の性状は癌の肉眼像に類似する場合がある、慎重に観察する必要がある。
非活動期所見では多発潰瘍瘢痕、萎縮性瘢痕、輪状狭窄、回盲弁(バウヒン弁)の開大などがある。
 
・CT
回盲部などに限局性あるいは非連続性に、非対称性の壁肥厚や周囲の脂肪織濃度上昇を認める。
リンパ節腫大も見られ、造影CTでは均一あるいは不均一な増強効果を示す。
 
・生検
確定診断は結核菌か乾酪性肉芽腫の病変部からの証明。
実際には困難な場合も多い。内視鏡や透視などの画像による診断が主。
 
 
参考
わかる!役立つ!消化管の画像診断