消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

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上部内視鏡の前処置や投与薬剤など

  • 常用薬への対応

     

朝6時に必要な薬剤は内服する

・継続して飲んだ方が良い薬

不整脈薬、抗てんかん薬、喘息薬、抗がん剤、降圧剤

・スキップした方が良い薬

血糖降下薬剤、インスリン

・抗凝固薬、抗血小板薬

スキップするか継続するかはガイドラインや処置・治療を行うかで決める

 

  • 前処置

消泡薬 ジメチコン(ガスコン®︎ドロップ)4ml

粘液溶解除去薬 プロナーゼ(プロナーゼ®︎MS)2万単位

重曹1g

を水に溶解して内服

 

検査直前に咽頭反射を防ぐために

リドカイン塩酸塩ビスカス(キシロカインビスカス®︎) 口腔内に含む

リドカイン塩酸塩注射液(キシロカインスプレー®︎)  咽頭に噴射

などで咽頭の表面を麻酔する アナフィラキシー(ショック、意識障害、振戦、痙攣)に注意

 

  • 鎮痙剤

腸管の蠕動を抑える目的で使用

ブチルスコポラミン臭化物(ブスコパン®︎)

副交感神経遮断作用のため

虚血性心疾患(心拍数増加して症状悪化)

前立腺肥大症(排尿困難になりうる)

緑内障(眼内圧を高める)

出血性大腸炎(腸運動を止め、症状増悪や治療期間延長をきたしうる)

麻痺性イレウス(消化管運動を止め症状悪化)

には禁忌!

 

上記疾患患者には

グルカゴン(グルカゴンGノボ)

褐色細胞腫には禁忌

ブスコパンに比べ作用は弱く、作用時間も短い(15〜20分間)

糖新生促進作用があり、投与後60〜90分後にリバウンドで血糖値低下することがあるため注意

糖尿病患者では血糖の上昇→低下とコントロールに影響を及ぼす可能性も忘れない

 

また、ブスコパン禁忌患者には胃蠕動抑制薬として

1–メントール製剤(ミンクリア®︎)を胃内に散布することもある

 

  • 鎮静剤

ベンゾジアゼピン系が以下

ミダゾラム(ドルミカム®︎)

ジアゼパム(セルシン®︎、ホリゾン®︎)

フルニトラゼパム(サイレース®︎、ロヒプノール®︎)

拮抗薬はフルマゼニル®︎

 

他に

デクスメデトミジン塩酸塩(プレセデックス®︎)

プロポフォール(ディプリバン®︎注)

もある

 

  • 鎮痛薬

ペチジン塩酸塩(オピスタン®︎)

ペンタゾシン(ソセゴン®︎)

 

 

参考

レジデントノート 2018年1月号内視鏡所見の見かたがわかる

消化器内視鏡vol18 No5 2006 レジデントのための内視鏡診療マニュアル