消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

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ノルアドレナリンとドパミンの違いと使い方

α1受容体刺激作用とβ1受容体刺激作用がある。

α1刺激作用が強く出るため、血管収縮作用による強い昇圧作用を示す。

β1刺激作用は弱く、心拍出量は軽度増加するが、心拍数は変わらないかむしろわずかに低下する。

即効性があり、持続は1–2分。

 

①低用量

1〜2μg/kg//minでは、主にドパミン受容体に作用し、選択的に血管を拡張させる。

利尿効果や腎保護作用は別にない。

②中等量

5〜10μg/kg/minでは、β1刺激作用により、心拍数を上げることで心拍出量は増加する。

2〜5μg/kg/minでは血管拡張作用と心拍出量増加により血圧はあまり変動しない。容量増加に伴い血管抵抗が増大し、血圧は高くなる。

③高用量

10μg/kg/minでは、主にα1受容体を刺激し、全身の血管を収縮させる。ただし、α1作用はノルアドレナリンより弱い。

 

ノルアドレナリンドパミンと比較して同等以上の効果があること

ドパミンには副作用として心房細動などの不整脈が多いこと

以上をふまえるとショックに対する第一選択はノルアドレナリンとなる。

 

ドパミンの最初に使用するのは以下のような徐脈性ショックがかんがえられる。

・洞不全症候群

・βブロッカーやCaブロッカーなど洞房結節抑制作用のある薬剤使用時

・右冠動脈の領域の心筋梗塞

・頸椎損傷

・頸動脈ステント留置術後

 

  • 実際の使用方法

ノルアドレナリン

5A(5mg/5ml)を生食45Mlに溶解し、合計50ml(0.1mg/ml)とする。

体重50kgの場合、0.1γ(μg/kg/min)は3ml/hと覚える。

体重が60kgの場合、1.2倍して3.6ml/h

最初は0.05〜0.1γで開始して、10〜30分間隔で0.05〜0.1γずつ増減する。

 

ドパミン

0.3%(3mg/ml)に溶解するのが基本。

プレドパ®︎注600やカタボン®︎Hiはあらかじめ0.3%

イノバン®︎注100mgを3Aと生食85mlに溶解し合計100mlにして0.3%にする

カタボン®︎Lowは0.1%なので注意

 

体重50kgの場合0.3%なら、1γは1ml/hとなる

1〜5γで開始し、反応が得られるまでは10〜30分間隔で1〜4γずつ増やしていく。

 

  • 投与経路

末梢静脈経路から漏出した場合、局所の血管収縮作用により組織の虚血性壊死を起こしうる事を忘れない。

基本的には中心静脈からの投与が推奨される。

 

 

参考

レジデントノート2015年3月救急・ICUで循環作動薬を使いこなそう