ショックの種類・初期対応
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種類
①血液分布異常性ショック(distributive shock)
敗血症性ショック、アナフィラキシーショック、神経原性ショック、副腎不全
②循環血液量減少性ショック(hypovolemic shock)
出血、脱水、外傷、大動脈破裂、産科出血etc
③心原性ショック(cardiogenic shock)
④閉塞性ショック(obstructive shock)
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重要な所見
・病歴/既往歴
吐下血があれば循環血漿量減少性が考える。
発熱や肺の臓器特異的所見(頻呼吸、酸素家庭科)、尿路の臓器特異的所見(頻尿・排尿時痛・背部叩打痛)を認めれば血液分布異常性を考える。
既往に心血管イベントのリスク因子(高血圧・糖尿病・脂質異常症)があり、胸痛や背部痛や徐脈があれば心原性が疑わしい。
・疼痛
腹痛:消化管穿孔(特に下部)、絞扼性腸閉塞、総胆管結石に伴う胆管炎や尿管結石に伴う閉塞性急性腎盂腎炎による敗血症性ショック
四肢:(特に下肢で)壊死性筋膜炎、蜂窩織炎
などを疑うきっかけとなる。
・皮膚所見
ショックの5Pにもある顔面蒼白や冷汗。
5P所見があるのに四肢が温かい場合には血管透過性亢進を考え、敗血症性ショックなどの血液分布異常性ショックが考えられる。
網状皮斑(livedo)は循環不全を示唆し、四肢を中心に認める。
蕁麻疹はアナフィラキシーショックの約90%に認める。
仙骨部や臀部の褥瘡を見逃さない。
・聴診所見
緊張性気胸を見分けたい。左右差に注意。
・頸静脈怒張
頸静脈が怒張するのは心原性ショックと閉塞性ショック。
逆に循環血液量減少性ショックと血液分布異常性ショックでは頸静脈は虚脱する。
・眼瞼結膜
蒼白であるならHb11以下といわれるが場合による。あれば積極的に疑うがなくても貧血なしとはしない。
・吐下血/血便
ショックの原因として消化管出血は頻度が高い。
ショックの原因が不明の場合は、直腸診を行って検索をかける。
吐血については胃管を挿入して排液を確認する事も場合によってはあり。
・徐脈+ショック
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検査
・胸部ポータブルXp
大動脈解離はXpのみで診断するわけではないが、前縦隔の拡大の有無を意識して見ることは重要。
・エコー
RUSH examが有名
①Pump:心臓は正常に動いているか
心収縮の有無、VF、心タンポナーデ、右室拡大
②Tank:血管内容量
IVC、FAST、JVD(頸動脈怒張)
③Pipe:血管の異常
・血液ガス
特に乳酸値は大事。治療で下がれば治療効果の判定にも使える。逆に上昇していくのなら注意となる。
・心電図
ST上昇の有無、徐脈性不整脈の有無を精査。
高K血症は徐脈・血圧低下を示す緊急性の高い疾患。テント状T波やP波の消失を見落とさないように。
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外液投与/下肢挙上の反応
循環血液量減少性ショックと血液分布異常性ショックの鑑別はバイタルや病歴だけでは判断困難な場合もある。
外液投与(30ml/kg程)によってバイタルの変化が重要である。
循環血液量減少性ショックならば投与に伴ってバイタルの改善が認められるはずである。(大量出血ならばそうもいかないが)
血液分布異常性ショックではノルアドレナリンをはじめとしたカテコラミンが必要となる。
外液投与の反応が悪いときは、出血がどこからか続いている可能性や敗血症性ショックの可能性を考え早期に抗菌薬や外科的介入が必要となる。
下肢挙上にて血圧が上がるのは血管内脱水がある場合である。つまり上記の循環血液量減少性ショックや血液分布異常性ショックのどちらかである可能性が高まる。
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初期対応
気管挿管の判断
ABに以上があれば挿管の適応を考えねばならない。
もし挿管するならば、鎮痛・鎮静に際しての血圧低下に備えて昇圧薬を用意しておく。
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対応
①血液分布異常性ショック(distributive shock)
敗血症性ショック、アナフィラキシーショックが代表。
十分な細胞外液投与に加えてカテコラミンの投与が必要。
敗血症性ショックではノルアドレナリン、アナフィラキシーショックではアドレナリン。
②循環血液量減少性ショック(hypovolemic shock)
出血性ショックの治療の中心は輸液・輸血療法および原因に対する止血術。
出血性を疑った段階で血液型提出、輸血室に輸血が必要になる可能性を連絡する。
③心原性ショック(cardiogenic shock)
急性心筋梗塞や心筋炎によって心収縮力が低下しているため、改善させるためにカテコラミンが必要となる。
心原性ショックだけは早期からカテコラミンが必要となる。
急性心筋梗塞ならば早期診断及び血行再建術が重要。速やかな循環器内科へのコンサルトを。
④閉塞性ショック(obstructive shock)
参考
救急外来ただいま診療中
2015年3月号 救急・ICUで循環作動薬を使いこなそう