消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

消化器内科医のメモ用ブログ 自分用のまとめなので記事が重複している場合があります。なにかご指摘や追加の情報あればご連絡ください。

失神と痙攣の鑑別

失神とは

「一過性の意識消失発作の結果, 姿勢が保持できなくなり,かつ自然に,また完全に意識 の回復がみられること」

失神の治療・診断ガイドラインより引用

 

 

突然発症し、脱力を伴う一過性の意識消失で、特に治療しなくても短時間で後遺症を残さず、完全にもとの状態に回復する病態。

jmed51 もう困らない救急・当直ver3より引用

 

 

血液ガスが参考になる。救急ではすぐに採血するべき。

他に舌咬傷、尿失禁は診察すればわかる。

目撃者がいれば、前兆・痙攣の様式・意識回復までの様子や時間がわかる。

 

  • 失神

AG開大性アシドーシス:なし

舌咬傷:稀(あるなら舌前方が多い)

失禁:稀

前兆:なし

痙攣:弛緩性で非対称性、意識喪失➡︎痙攣

意識消失短い(1〜2分程)

 

  • 痙攣

AG開大性アシドーシス:あり

舌咬傷:舌側方が多い

失禁:あり

前兆:あり

痙攣:強直性で対称性、痙攣➡︎意識消失

意識消失長い

全般発作ならば発作中はほぼ開眼している

 

  • Historical criteria

失神と痙攣を鑑別するスコア 感度94%特異度94%

 

舌咬傷  +2
異常行動・体位・四肢の痙攣様運動の目撃  +1
感情的ストレスによる意識消失  +1
発作後の意識障害  +1
頭部回旋(後ろを振り向くような動き)  +1
デジャブなどの前駆症状  +1
前失神  -2
長時間の座位や立位による意識消失  -2
発作前の発汗  -2

 

合計点数が

≧1点 で痙攣

<1点 で失神

 

 

参考

jmed51 もう困らない救急・当直ver3

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03051_04

第2回 「一過性意識障害, 失神」