消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

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石灰沈着性頸長筋腱炎

この前1例を経験したので

 

 

主訴:急激な頸部痛、頸部可動域制限、咽頭痛、嚥下時痛

好発年齢:30〜50歳代

CT:環椎前結節前下面に石灰化、

造影CT:頸長筋の部位に低吸収域、リングエンハンス無し(咽後膿瘍との違い)

治療:安静、NSAIDs

予後:良好、2週間以内に軽快

 

鑑別:咽後膿瘍、化膿性脊椎炎

どちらも重篤な合併症を起こしうる

症状と局所所見のみでの鑑別は難しい

 

咽後膿瘍:造影CTにてリングエンハンスあり、腫脹した咽頭後壁を穿刺すると膿汁がひける

化膿性脊椎炎:CTにて椎体破壊像や椎間板の狭小化、MRIにて椎体と椎間板の信号変化(石灰沈着性頸長筋腱炎では椎体と椎間板に変化はない)

 

参考

経験症例

貰った登竜門スライド

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/116/11/116_1200/_pdf