中毒性巨大結腸症の診断と治療
- 病態
筋層までの炎症波及(筋層壊死)や一酸化窒素発生による平滑筋弛緩作用と考えられている。
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誘因
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診断
臨床症状と大腸の拡張からなる。
中毒性巨大結腸症は基礎となる大腸炎の増悪中に発症することから、腹部膨満や下痢などの症状が見られれば念頭に置く。
診断基準は以下の通り(潰瘍性大腸炎に合併する中毒性巨大結腸症の診断基準?)
・単純X線(仰臥位腹部)
ハウストラの消失した結腸の拡張(>6cm)
CTの方が精確な評価と穿孔の有無や病変範囲の評価に有用。
・下記のうちの3つ以上の症状
38度以上の発熱
脈拍120bpm以上
白血球増多(>10500)
貧血
・下記のうち1つ以上
脱水
電解質異常
低血圧
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治療
基本は全身管理(輸液、電解質補正)、腸管安静・減圧。
発症48~72時間以内に改善ない場合は手術を躊躇わずに考慮する。
内視鏡、注腸、抗コリン薬は悪化・穿孔を招きうるため禁忌である。
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鑑別
先天性巨大結腸症(成人型Hirschsprung病)や急性大腸偽性閉塞症(Ogilive症候群)や慢性腸管技閉塞症などがある。
基礎疾患となる大腸炎の有無が重要となる。
参考
わかる!役立つ!消化管の画像診断