高浸透圧性高血糖症(HHS)の治療
原則は
原則1時間ごとに血糖測定、2時間ごとに電解質測定する
- 脱水の補正
HHSでは極度の脱水がある
心不全をきたす基礎疾患がないかを必ずチェックした上で輸液
0.9%生食を500〜1000mL/hrで開始し、循環動態に応じて調節
HHSでは高血糖による浸透圧利尿により補正が追いつかない事もある
輸液不足時においてインスリンはショックを助長する事もあるので注意
補正Na値によって0.9%生食と0.45%生食を使い分ける
補正Na=実測Na+{(血糖–100)/100}×1.65
補正Naが135mEq/L以下なら0.9%生食
補正Naが正常(135〜145)又は高値なら0.45%生食
- Kの補正
最初に測定したK値は当てにならない、病態の改善に合わせて著明に低下するため注意
補充が不足すれば致死的不整脈を引き起こしうる
・K<3.3の場合
インスリンは中止しKを20〜30mEq/hrで3.3を越えるまで補正する
・Kが3.3〜5.2の場合
輸液中のK濃度を20〜30mEq/hrに調節してKを4.0〜5.0になるよう調節
・K>5.2の場合
K投与しない
輸液を十分にすればある程度血糖は下がる
少量持続点滴が原則
ヒューマリン®︎0.1単位/kg/hrを持続点滴
重症例で厳格に管理しすぎると低血糖のリスクも上がる、200〜300位を目標に
- 原因検索
脳血管障害、急性心筋梗塞、消化管出血、急性膵炎
薬剤(利尿薬、グリセオール、マンニトール、ステロイド、免疫抑制剤、プロプラノロール、抗ヒスタミン薬etc)
ブドウ糖負荷、高カロリー輸液
手術
参考
研修医当直御法度百例帖第二版
内科レジデントの鉄則第三版