消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

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輪状甲状間膜穿刺・切開のやり方

最も多い声門上異物の場合を考える。
窒息を疑う場合、1歳以上ではHeimlich法を試みる。
反応がなくなった場合は心肺蘇生を開始する。

 

指や喉頭鏡や鉗子を使用し非侵襲的な除去を試みる。
非侵襲的な方法でも解除されず引き続き換気が出来ない場合は侵襲的気道確保が適応となる。
 
一時的な処置であり気道の確保が目的。
施術をするのがゴールではなく換気を行う事がゴール。
 
  • 輪状甲状間膜の解剖学的位置

上図の③に相当。(医師国家試験110C-2)
  • 道具
穿刺:キット仕様が多い。
クイックトラック
ミニトラック
Melker緊急用輪状甲状間膜切開用カテーテルセット
 
切開:15番メス、曲がりコッヘル2本、挿管チューブ(内径6mm程度のもの)
 
  • 準備と体位
モニター装着、必ず酸素マスク。
肩の下に枕を入れ、頭部後屈・顎先挙上の状態にする。
 
  • 輪状甲状間膜穿刺
患者の左側に立つ。
輪状甲状間膜の直上をメスで3cm切開。
間膜を指で確認できたら穿刺する。
空気が引けたら穿刺キットのカニューレを留置し換気の確認をする。
 
  • 輪状甲状間膜切開
患者の右側に立つ。
輪状甲状間膜の直上をメスで3cm切開。
間膜を指で確認できたら、間膜をメスで切る。
開窓部よりコッヘルを挿入し開窓部を広げる。
広げた状態にてコッヘルを保持し、もう一つのコッヘルで保持した挿管チューブを挿入し、換気の確認を擦る。
 
 
参考
嚥下障害、診られますか?