好酸球性食道炎の診断と治療
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症状
典型的な症状として、食事のつかえ感、嚥下困難がある。
他に、胸やけや呑酸、心窩部痛。
食道に狭窄をきたすと食事が狭窄部に詰まってしまう状態(food impaction)を呈することがある。日本ではまれ。
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診断
・診断基準
①:症状(嚥下障害、つかえ感等)を有する。
②:食道粘膜の生検で上皮内に20/HPF以上の好酸球が存在している。(生検は食道内の数か所を行うことが望ましい)
③:内視鏡検査で食道内に白斑、縦走溝、気管様狭窄を認める。
⑤:末梢血中に好酸球増多を認める。
⑥:男性
⑦:プロトンポンプ阻害薬は無効でグルココルチコイド製剤が有効である。
①と②を満たすものを対象とする。③~⑦は参考項目。
典型的な内視鏡所見は縦走溝、リング状変化、白色滲出物があがられ、9割以上で認める。
生検は1箇所のみでは偽陰性となることがあり、複数箇所からの生検が必要。
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治療
原因となる抗原を含む食事を中止することで病態が著明に改善することが示されており、欧米では6種類の抗原を除去する食事療法が用いられている。
ただし、継続性の問題がある。
食物特異的IgE抗体価との関連性は低い。
これを鼻腔内に噴霧し、唾液とともに嚥下する。
用いるステロイドの種類や投与量、投与方法については、確立されたものがない。
食道狭窄が進行して食事通過に影響がある場合は、内視鏡下のバルーン拡張術が行われる。
参考
難病情報センター(https://www.nanbyou.or.jp/entry/3935)
消化器内科グリーンノート