消化器内科takoitaのメモ

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腸管ベーチェット病の診断と治療

  • 病態
ベーチェット病は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状を主症状とする慢性再発性の全身炎症性疾患。

 

口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍はほぼ必須で、初発症状の事が多い。
結節性紅斑、皮下の血栓性静脈炎、毛嚢様炎または痤瘡様皮疹といった皮膚病変も約90%でみられる。
急性発作を繰り返す臨床的特徴がある。
 
消化管病変が目立つ病型は腸管ベーチェット病として特殊型とされる。
稀であり約9%。
小腸では穿孔を来しやすく、病変の診断は重要。
 
好発部位は、終末回腸と盲腸。70-80%。
食道および直腸にいたるまでどのレベルでも好発する。
回盲部に認められる穿通性の多発潰瘍が典型的。
 
  • 検査
CT:
回盲部の壁肥厚と潰瘍を伴う隆起性病変、周囲の炎症性浸潤、リンパ節腫大など。
隆起性病変のみの場合は合併症が少ない。
 
 
  • 鑑別
急性虫垂炎クローン病潰瘍性大腸炎、膵炎など。
その他、回盲部に好発する病変として結核チフス悪性リンパ腫、アミロイドーシスが画像上の鑑別。
一般的に、ベーチェット病の兆候があり、消化器症状を認め、内視鏡や注腸所見で特徴的な所見があれば診断が容易。
CTのみでは鑑別は難しい。
 
※単純性潰瘍
ベーチェット病に相当する全身の臨床症状を認めないが、形態的や病理学的に腸管ベーチェット病と鑑別困難な潰瘍を有する症例を単純性潰瘍という。
 
 
参考
わかる!役立つ!消化管の画像診断
画像診断vol36no10 2016