ICUでの鎮静の薬剤
作用発現は速やか(0.5-5分)で、作用時間は短い(<2h)。
深い鎮静を持続的に得ることができる。
CO2増加による呼吸促進作用を抑制する。呼吸抑制時には拮抗薬のフルマゼニル(アネキセート®)で対応できる。
血行動態に影響を与えにくい。
48-72時間以上の持続投与がされた場合、代謝産物の蓄積や脂肪からの薬剤の放出で覚醒が遷延する場合があるのでなるべく使用は短時間で。
導入:0.03-0.06mg/kgのボーラス
維持:0.03mg/kg/hから開始。効果を見て増減。
作用発現がよく(1-2分)、切れも良い。(10-15分持続)
脳内酸素消費量を低下させ頭蓋内圧を低下させる(脳保護作用)。そのため神経学的障害時に有用。
抜管直前や神経学的初見などの急速な覚醒が必要な場合に使うと良い。
血管拡張作用が強く、低血圧に注意。脂肪製剤のためライン感染に注意。2日以上の投与でTG上昇をきたす例もたまにある。
原則的に持続投与で用いる。
維持:0.5mg/kg/hで開始。5-10分毎に0.5mg/kgずつ効果を見ながら増量して維持量とする。
- デクスメデトミジン(プレセデックス®)
鎮静中であっても刺激で容易に覚醒するのが特徴。(浅い鎮静にむいている)
適応拡大により24時間を超える投与も可能になった。
呼吸抑制を来さないので、人工呼吸器からのウィーニング・挿管時・抜管後の鎮静に有用。
徐脈傾向が強い。血圧低下も多い。
鎮痛作用や抗不安作用も持つ。記憶や認知機能を障害しない。
単剤では鎮静が不十分で他剤と併用する場合も多い。
半減期が短く、通常持続投与で用いる。
導入:6μg/kg/hで10分間投与
維持:0.2-0.7μg/kg/hで至適レベルに調節する。
作用発現は2-10分と遅く、持続時間は数時間と長い。(血中半減期2時間)
心肺機能抑制の危険が少なく、ICUせん妄患者の鎮静に有用。
長期的に見るとせん妄を延長させうる。
不安を抑制したい場合にはベンゾジアゼピン系との併用を検討。
血圧低下を起こしうる。また、QT延長起こしうる。心電図モニターを。
参考
ICU実践ハンドブック
教えて!ICU