消化器内科takoitaのメモ

消化器内科医takoitaのメモ

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有機リン中毒の治療

基本はABC

挿管が必要なら躊躇わない

 

 

  • 胃洗浄について

胃洗浄の適応は、致死量の薬物または毒物の摂取であり、かつ摂取後1時間以内のみの場合に限られる

中々有効な症例は少なくルーチンではしない

行うなら気管挿管により誤嚥を避けてから

 

  • 活性炭

1時間以内なら投与できる

1g/kgを経口投与

意識障害あれば挿管して

緩下剤(ソルビトール1-2g/kg)を併用

 

  • アトロピン投与

気管攣縮及び気管支漏軽減のため

軽度中毒(ChE正常の20〜50%) で1mgをiv

中等度中毒(ChE正常の10〜20%)で1〜2mgをiv

重症中毒(ChE正常の10%以下)で5mgをiv

 

  • PAM(プラリドキシム)を投与

Aging前でないと作用出来ないため有機リンと分かっているなら速やかに投与

初回1〜2mgを15〜30分かけて投与

以降は0.5g/hrで持続静注

 

参考

研修医当直御法度百例帖第二版

http://qq8oji.tokyo-med.ac.jp/pg-report/1117

http://www.matsuyama.jrc.or.jp/rinsyo/news/wp-content/uploads/2014/09/394b9fd0c715a6398b3db1683a350bf1.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/2/102_455/_pdf

有機リン中毒およびカーバメート化合物による中毒 - 22. 外傷と中毒 - MSDマニュアル プロフェッショナル版